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大規模修繕工事を行わないとどうなる?
2023.2.28
みなさんが豊かに暮らすために欠かせないマンションは、毎日雨や風、紫外線、排気ガス等から
私達を守ってくれているため、その代償として各部位が徐々に劣化していきます。こうした経年劣化を
食い止めるのが、大規模修繕工事ですが、適切な時期に大規模修繕工事を行わず、
劣化を放置するとどうなってしまうのでしょう?
近年「ここまで大掛かりな工事を行う必要があるのか?」と疑問を持たれる方が増えてきています。
確かに、最近では建築物に使われる建材も長持ちするものが増え、マンションの寿命の平均年数は延びてきています。
しかし、寿命が延びているからと言ってマンションの資産価値や耐久性が守り続けられているとは限りません。
そこで、今回は劣化をそのまま放置し続け、修繕を行わなかった時に起きる事やそのリスク等を解説していこうと思います。

◇もくじ
これまでのコラムでは大規模修繕工事を考え始めている方向けに検討材料として大規模修繕工事の必要性を
解説してきましたが、本記事では「大規模修繕工事は必ず行うもの」との前提で解説を進めていきます。
第一に大規模修繕工事といえば「安全性の確保」が挙げられます。
今ではマンションのほとんどは鉄筋のコンクリートで造られており、耐久性は昔よりも向上していますが、
風雨や紫外線などによる損傷は避けることが出来ず、年を重ねるごとに劣化を抑えることは出来ません。
建物が傷んでいる状態で放置すると、外壁・タイルの落下や崩壊など住民や周辺地域へ危害をもたらす恐れが生じます。
このような状態を放置することは、安全性を阻害していると言っても過言ではありません。
何度か資産価値についてはこれまでのコラムでもご紹介させていただきましたが、大規模修繕工事では金銭だけでは
評価できない価値、つまり生活上の安心感・快適感を包含することで
マンションの資産価値を維持・向上させることができるのです。
しかし、外壁タイルが浮いていたり、コンクリートがひび割れていたりする状態を放置すると、外観が損なわれ、
雨漏りや錆の発生にも繋がります。このような状態では安心して快適な暮らしをすることは難しいことから、
資産価値は下がる一方です。
大規模修繕工事は「当たり前の生活を当たり前のようにできるようにする」という利点があります。
これが、資産価値の維持ができる理由のひとつになっているのです。また、適切な周期でマンション大規模工事を
行うことで建物の寿命自体を延ばすことが出来ます。建物が末永く健全な状態であればあるほど、
資産価値の維持に繋がります。

前述では大規模修繕工事の必要性について書いてきましたが、ここまで必要な工事を行わなければ
マンションにはどういったリスクが起こってくるのか気になりますよね?
そこで、ここでは大規模修繕工事を行わないことで起こりうるリスクについて解説していきます。
マンションの外壁は年を重ねるごとに劣化していきます。塗膜が剥がれ、躯体部分にヒビが入るとそこから
雨水が浸水します。そうなると、内部の鉄筋が錆び、建物の強度も低下していくのです。
最近では、外壁タイルの落下による事故やトラブルが多発しておりますが、この場合も躯体部と下地、
下地とタイルの因果関係にあります。
前述で解説したように、雨水が浸水すると躯体内部の鉄筋が錆びることはもちろん、
その他にも多くの危険なリスクを発生させます。
例えば、雨漏りでは天井材や壁材にカビ・ダニが発生する恐れがあります。これらが発生すると、
健康被害が生じる可能性があるのです。また、水害による構造材が腐食すると建物の一部が崩壊するリスクもあります。
鉄骨造に限らず起こりうるトラブルです。
他にも漏電による火災、耐震構造の脆弱化など、見えない部分で大きなリスクを抱えることになります。
本記事では大規模修繕工事の必要性とともに、修繕を行わないことのリスクを解説しました。
居住者や周辺への安全確保・資産価値の維持のためにもぜひ修繕を行っていきましょう。
また、大規模修繕工事を行わないままにすると居住者の大切な資産の価値が下がり、
快適な暮らしも出来なくなるため、手放すことも考えられます。
ここまでで大規模修繕工事を行わないとどうなるかについてはお分かりいただけたと思います。
マンションの現状にそぐうよう、適切な時期を見極めて大規模修繕工事の計画を進めていきましょう。