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建物調査・建物診断で何が分かる?<前編>
「建物調査・建物診断で何が分かる?<前編>」 ~大規模修繕工事の前に調査しておくべきこと~ 当コラムで「建物の老朽化トラブル!建物診断ってどんなことをしているの?(2022.09.22)」を公開しておりますが、 今回と次回、「建物調査・建物診断で何が分かる?大規模修繕工事の前に調査しておくべきこと」と題して書いていきます。 ◇◆―――――――――――――――――目 次――――――――――――――――――◆◇ 1.「建物調査・建物診断」とは CASE1.長期修繕計画「外壁補修は築12年目」としていた場合 CASE2.「CASE1」と同じ長期修繕計画で、10年目で劣化が見られる場合 2.「建物調査・建物診断」でどこを見る? 3.「建物調査・建物診断」以外もチェックしよう! ◇◆――――――――――――――――――――――――――――――――――――――◆◇ 1.「建物調査・建物診断」とは マンション・ビルの大規模修繕工事は、経年劣化に伴う価値の低下を防ぐために行います。 そのため長期修繕計画を立て、その時期に近づくと「建物調査・建物診断」を行い、建物の劣化状態を客観的にとらえて 修繕工事が必要かどうかを判断します。 (現在、国土交通省は「大規模修繕工事は12~15年で実施することが好ましい」と指針を出しています) 外観に損傷が無い場合、一般的には修繕の必要があるのかどうかわからないことが多く、 その場合に「建物調査・建物診断」の報告が役立つことになります。 ※「建物状況調査」「建物劣化診断」等、業者によっていろいろな名称がありますが、内容は同じですので、ここでは、 「建物調査・建物診断」と記載いたします。 CASE1.長期修繕計画「外壁補修は築12年目」としていた場合 必ずしもスケジュール通りに実施するのが良いわけではありません。 長期修繕計画は建築材料の標準的な耐久性を基にした年数を想定して作成されていますが、周辺環境や気象条件、 利用状態等により損傷程度が異なります。外壁の状態は良好で修繕を数年後に実施してもよい状況なのに、 当初計画通り築12年目に実施すると、それは過剰な修繕になってしまいます。 CASE2.「CASE1」と同じ長期修繕計画で、10年目で劣化が見られる場合 「外壁補修は築12年目」まで数年あっても、見た目にも劣化が進んでしまっていて早急に修繕した方が良い場合もあります。 その場合「築12年目」まで先延ばしにしていると、激しい損傷が出てしまうかもしれません。 建物の状況を把握して、修繕が必要な時期がいつなのかを判断した上で、大規模修繕工事を実施するのがベストです。 そのための「建物調査・建物診断」なのです。 2.「建物調査・建物診断」でどこを見る? 「建物調査・建物診断」は具体的にどの箇所・どのような調査をするのでしょうか。 ◇建物調査・建物診断の主な内容 建物外周、屋内屋外共用設備、敷地内の外構部分等、調査は多岐にわたり、各場所を目視・触診・打診などで 劣化状態を調べ、外装材の浮き、ひび割れ、剥離、亀裂、チョーキング等チェックします。 手の届かない箇所、表面から見えない設備等を詳細に診断するときは、赤外線や超音波装置を使った「非破壊検査」、 対象部位の一部抜き取った「サンプリング検査」を行います。 こうして建物設備の現場を調査診断した結果を対象部位ごとに写真入りで記録し、修繕の緊急度を評価した 報告書にまとめます。 3.「建物調査・建物診断」以外もチェックしよう! 大規模修繕工事では、周辺にお住いの方々の生活にも影響を及ぼします。 ◇入居者様も近隣住民の方も工事を行う方も、周辺の状況により制限を受けることがあります。 近くに企業や学校があると、朝夕は多くの通勤通学者が周辺を通過します。 通勤通学時間帯は作業車両がマンション・ビルに入る時間と重なることも考えられます。その安全を確保するために、 交通誘導員を配置するなどの対策をとるものの、稀に作業に支障をきたす場合もあります。 また、JRや路面電車等沿線界隈の場合、列車等通行時には工事を一時的にストップしなくてはならない制限があります。 ◇大規模修繕工事と同時期に、他現場での工事開始や近隣道路の工事開始も考えられます。 作業車両やクレーン車等が時間帯によっては通行できないことがあります。 また、車で移動する場合、近隣道路が徐行、あるいは通行止めになる可能性があります。 さらに近隣道路の広さによっては、大型車の通行が制限されている場合もあります。 ❖建物調査・建物診断をする際に近隣調査も行い、フレキシブルな対応を考える大規模修繕工事業者を選ぶことが必要です。 ********************************************************************* 弊社は、建物躯体部分の大規模修繕工事を専門としている事業部があり、経験豊富なスタッフをそろえております。 入居者様のライフスタイルや周辺環境にも考慮した工事範囲・工事内容・工事スケジュールを組み、 きめ細かいところまでアドバイスさせていただいております。 地域に根ざしているからこそできるフォロー体制で迅速に対応させていただいております。 大規模修繕工事のことで気になる点がございましたら、株式会社大柿産業までお気軽にご相談ください! ★次回は「建物調査・建物診断で何が分かる?<後編>」を紹介いたします。
2023.11.17
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大規模修繕工事のスケジュール~施工会社編
前回のコラムでは、大規模修繕工事の「工事監理」について書かせていただきました。 今回は施工会社の「選定方法」と「工事スケジュール」について、確認していきたいと思います。 ~目次~ 1.大規模修繕工事施工会社選定方法 1-1.特命随意契約 1-2.見積合わせ 1-3. 競争入札 2.施工会社の種類 2-1.ゼネコン 2-2.大規模修繕工事専門施工会社 2-3.管理会社 3.施工スケジュール 3-1.大規模修繕工事のスケジュール 3-2.各工事について 4.まとめ ================================================================= 1.大規模修繕工事施工会社選定方法 大規模修繕工事を開始する約3~6か月前から施工会社を選定していきます。 この選定方法の主だったものが3つあります。 1-1.特命随意契約 国や自治体が公共工事の発注や物品購入において、特定業者を指名し、競争入札を行わずに契約を締結する方式。 一般工事ではあまり利用されておりません。 1-2.見積合わせ 特定の複数の業者に事前に見積条件を提示し、提出された見積の中から最も有利な条件を出した業者と契約する入札方式。 最終的に見積内容と施工業者の能力等を総合的に判断するため、最低額の見積もりを提出した業者に決まるとは限りません。 1-3.競争入札 最も有利な条件を提示した業者と契約締結するために、 複数の契約希望者に工事内容や入札金額を書いた文書を提出させて内容や金額から業者を決める方式。 実績の少ない業者でも入札に参加できるため、ノウハウや資金力のない業者が落札する可能性もあります。 上記のような選定方法によって、大規模修繕工事の施工会社を決定します。 2.施工会社の種類 大規模修繕工事の施工会社には、下記のような種類があります。 2-1.ゼネコン ゼネコンとは、「設計・施工・研究」を自社で総合的に行うことが出来る総合建設会社のことです。 ゼネコンは売上高によって3段階に分かれています。 スーパーゼネコン、準大手ゼネコン、中堅ゼネコン等、名前のよく知られた会社で安心感がある一方、 大規模修繕工事に特化した経験と実績は、施工会社によって異なります。 2-2.大規模修繕工事専門施工業者 大規模修繕工事に関わる塗装、防水工事等を担当し、実績を積むことで下請け工事から元請け工事をすることになった施工会社が多く、 専門の施工会社ならではの豊富なノウハウを持ち、状況に応じたきめ細かい対応ができます。 総合的な管理においては、しっかりとした打合せをしておく必要があります。 2-3.管理会社 マンションの管理会社に通常業務外となる大規模修繕工事も任せることで、 居住するマンションの状態を良く知っている点では信頼性があります。 ただし、第三者として客観的に見るという点では外部委託と比べ、 建物調査診断や設計、施工がしっかり行われるのかという不安があります。 工事内容(外壁工事、設備工事、耐震改修工事他)や建物規模・形状(タワーマンション、一般マンション他)等により、 施工会社の得手不得手があるので、納得いくまで検討し、大規模修繕工事を依頼することが重要です。 3.施工スケジュール 居住者にとっては生活をしながらの大規模修繕工事となります。 当コラムでも、『大規模修繕工事前に居住者が注意すべきこと!-ベランダ編-』で、 生活しながら特に気になるベランダ工事について紹介させていただいておりますが、 今号では各工事のスケジュールを簡単にまとめてみました。 3-1.大規模修繕工事の全体スケジュール 簡単に一般的な大規模修繕工事の全体スケジュール表が下記表となります。 3-2.各工事について 工事する箇所は多数ありますが、毎回同じ箇所を修繕工事するわけではありません。 ・屋根防水 ・床防水(バルコニー床、開放廊下、階段等) ・外部塗装等(躯体、コンクリート塗装、タイル、シーリング) ・鉄部塗装等 ・建具、金物等 ・給水設備 ・排水設備 ・その他設備 ・昇降機設備 ・外構、付属設備 ・仮設 等 このような箇所を周期または劣化状態に合わせて大規模修繕工事や修繕工事で対応していきます。 下記フローは大規模修繕工事の一例です。この工事の場合、工期は約4カ月となります。 〇仮設工事 ➡ 〇躯体調査・マーキング ➡ 〇下地タイル補修工事 ➡ 〇シーリング工事 ➡ 〇洗浄工事 ➡ 〇防水工事 ➡ 〇塗装工事(外壁・鉄部)➡ 〇足場解体工事 ➡ 〇竣工 ➡ 〇アフター ※ベランダの使用制限が2~3か月程度発生いたします。 4.まとめ 大規模修繕工事を施工する会社は数多くありますが、居住者にとっては生活しながら施工するといった 特殊な環境になるため、管理組合や大規模修繕委員会、工事監理は、工事の進捗や居住者への接し方など 最善の対応が出来るかを事前に確認したうえで施工会社を選択し、工事内容を決定する必要があります。 ******************************************************************************* 弊社は、建物躯体部分の大規模修繕工事を専門としている事業部があり、経験豊富なスタッフをそろえております。 入居者様のライフスタイルや周辺環境にも考慮した工事範囲・工事内容・工事スケジュールを組み、 きめ細かいところまでアドバイスさせていただいております。 地域に根ざしているからこそできるフォロー体制で迅速に対応させていただいております。 大規模修繕工事のことで気になる点がございましたら、株式会社大柿産業までお気軽にご相談ください! ★次回は「倉庫・工場の大規模修繕工事!」について紹介いたします。
2023.9.21
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大規模修繕工事のスケジュール~工事監理編
大規模修繕工事のスケジュール~工事監理編 前回のコラムで、大規模修繕工事の計画と管理組合の関わりについて書かせていただきました。 その中の「2-2.工事期間中(監理)」で少し触れていますが、今回は、大規模修繕工事において「工事監理」がいかに必要か、見ていこうと思います。 ~目次~ 1.工事監理とは 2.工事の発注方式とは 2-1.責任施工方式 2-2.設計監理方式 3.工事監理業務とは 3-1. 着工前 3-2.工事期間中 3-3.竣工~引渡 3-4.アフター対応 4.まとめ ================================================================= 1.工事監理とは 管理組合(区分所有者の団体)の代理をしていくのがパートナーとなる「工事監理者」です。 「工事監理者」=「区分所有者の立場になって工事の管理をしていく人」。 また、【工事監理】とは、建築士法第2条第7項に「工事監理の定義」として 「その者の責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認すること」とされています。 そのため、工事監理は建築士の独占業務となっております。 2.工事の発注方式とは 前回コラム「管理篇」でも触れてありますが、大きく2つに分類されます。 2-1. 責任施工方式:工事を行う施工会社が調査、改修設計、工事までを一括発注する方式です。 2-2. 設計監理方式:工事を行う施工会社とは別に、設計事務所を選定し、一級建築士等の専門家に調査診断や改修診断等、 大規模修繕工事の計画策定や工事着工後の工事監理業務を委託する方式です。 ※住宅金融支援機構「大規模修繕の手引き」より出典 他にも、「CM方式(コンストラクション・マネジメント方式)」等ありますが、 これは管理組合に代わって、設計者や施工会社の業務を「第三者」としてチェックする方式になります。 ※CM方式は管理会社がマネジメントすることが多く見受けられます。 ※住宅金融支援機構「大規模修繕の手引き」より出典 3.工事監理業務とは 大規模修繕工事の場合、その着工前の工事説明会から工事完了後、各点検時期に応じて立ち合いするところまで幅広いサポートをしていく業務が「工事監理業務」となります。この業務には、主に下記業務があります。 3-1. 着工前 着工前に施工会社と工事範囲などの確認を行います。 また着工に先立ち、施工会社が主催する工事説明会の資料の事前確認・指導・立ち会いを行います。 ・工事請負契約のサポート ・施工会社との打ち合わせ ・契約書の内容確認 ・工事説明会開催サポート ・施工計画書確認 他 3-2.工事期間中 多くは現場の定例巡回を行い、月に1回態度「施主定例会」を実施します。さらに定例会までに行った工事監理と各種検査の報告を行います。 ひび割れ補修の調査等工種が変わる際や足場解体前検査、工事竣工検査などの重要な検査の際には、複数の検査者を動員することで抜けや漏れを防ぎます。 ・毎週巡回管理 ・毎週定例会議 / 二社(施工会社・設計事務所) ・毎月定例会議 / 三社(管理組合・施工会社・設計会社) ・広報活動 / 工事中にも居住されているため、工程表を掲示、お知らせを配布する。 ・定期検査・中間検査・消防検査・竣工検査 ※中間・竣工検査は管理組合立ち合いの元行われます。 他 3-3.竣工~引渡 引渡しの前には、最終的な検査を行います。竣工検査時の指摘箇所の是正確認はもちろん、最終報告書の確認も実施します。 また施工会社とは別に、監理会社として監理業務報告書を作成します。 ・施工会社から提出される竣工図書の作成指導、内容確認、承認 ・工事全体の状況、工事記録、指摘事項、是正記録等のまとめ、工事管理報告書提出 他 3-4.アフター対応 施工会社によるアフター点検(工事完了から概ね1年後)に立ち会い、その状況を確認。 必要に応じて施工会社に指導を行います。以後のアフター点検を施工会社のみで実施するための指導も行います。 4.まとめ 大規模修繕工事に工事監理者を置くことで、管理組合のパートナーとして、大規模修繕工事に精通した専門家を活用することが可能です。 管理組合と同じ目線で工事を監理するプロがいることは、管理組合、入居者にとっても大変心強いことだと思います。 大規模修繕工事の期間中は、煩わしく日常生活がしづらくなることが多いですが、工事期間中の生活が、少しでも快適なものになるよう管理組合、工事監理者と密に打合せをしていきましょう。 ******************************************************************************* 弊社は、躯体部分の大規模修繕工事を専門としている事業部があり、経験豊富なスタッフをそろえております。 入居者様のライフスタイルや周辺環境にも考慮した工事内容・工事範囲・工事スケジュールを組み、 きめ細かいところまでアドバイスさせていただいております。 地域に根ざしているからこそできるフォロー体制で迅速に対応させていただいております。 大規模修繕工事のことで気になる点がございましたら、株式会社大柿産業までお気軽にご相談ください! 責任施工方式・設計監理方式、どちらの方式でも大規模修繕工事の契約をお受けいたします。 ★次回は「大規模修繕工事前のスケジュール~施工業者編」について紹介いたします。
2023.8.18
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大規模修繕工事前のスケジュール~管理組合編
大規模修繕工事前のスケジュール~管理組合編 前回までのコラムで、大規模修繕工事の計画時期と費用についてご理解いただけたと思います。 では、「管理組合」は大規模修繕工事にどのように関わっているのでしょうか? ~目次~ 1.管理組合とは 2.管理組合の役割とは 2-1.着工前(計画づくり) 2-2.工事期間中(監理) 2-3.工事完了後(次回大規模修繕工事に向けて準備) 3.まとめ 1.管理組合とは 分譲マンションを購入すると、購入した方(=区分所有者)は必ず「管理組合」に加入することになります。 これは、区分所有法第3条で加入を義務付けられているためです。 つまり「管理組合」とは、「区分所有者の団体」のことで、この中から「理事会」が発足し、総会で選出する「理事長」「会計」、 業務を遂行する「理事」、理事会を監査するための「監事」が置かれます。 2.管理組合の役割とは 管理組合と理事会の役割は「マンションの維持管理」になりますが、大規模修繕工事では管理組合に専門的な知識や ノウハウが不足していることが多く、管理会社や施工会社にすべて任せる傾向が見受けられます。 管理組合でも押さえておくべきポイントを確認して、支援を受けるべきこと、そうでないことをはっきり区分けしましょう。 ここからは、大規模修繕工事の実施に当たって、「着工前」「工事期間中」「完成後」の3段階で管理組合の役割を見ていきます。 2-1.着工前(計画づくり) 多くの分譲マンションでは、大規模修繕工事の準備を進める段階で「修繕委員会」を立ち上げています。 「修繕委員会」とは、大規模修繕工事を理事長以下役員だけで対応するのは大変なため、管理組合の中で、 理事会とは別に大規模修繕工事の検討を専門に行う委員会です。 次に、大規模修繕工事のパートナーとなる専門家(管理会社、設計事務所等)を決めます。 管理組合にとってふさわしいパートナー(工事内容やその進め方に不安がある場合、中立的立場からアドバイスをもらえる専門家)を 選定することが、大変重要になります。 そして、工事の発注方式を決定します。主な方式には①責任施工方式 ②設計監理方式 ③CM方式 があります。 いずれにも、「メリット」「デメリット」がありますので、どの方式が良いか、管理組合で議論して決めると良いでしょう。 発注方式決定後、施工専門業者に引き合いを行い、競争の上、施工業者を決定します。 ※住宅金融支援機構「大規模修繕の手引き」より出典 2-2.工事期間中(監理) 工事中は、区分所有者、施工会社等が協力しあい、関係者同士でしっかりコミュニケーションをとりながら工事を進めていきます。 <定例会議~広報> 管理組合、パートナーで定例会議を実施、都度対策を取っていきます。 また、区分所有者には工事内容や経過、期間を事前に知らせておく必要があります。 施工会社に資料作成を依頼して各住戸に配布、工事工程表の掲示をするなど、周知徹底をすることが必要です。 <工事進捗状況~補償内容確認> 工事の進捗状況のチェックや、区分所有者や近隣住民からのクレーム対応など、さまざまな役割があります。 竣工検査は、施工者検査➡工事監理者検査➡管理組合検査の順で行われます。 不具合が発見された場合には、施工業者に通知し、直ちに不具合箇所の是正をしてもらいます。 その後、竣工図書や工事保証書など受取り、保証内容等確認しておきます。 2-3. 工事完了後(次回大規模修繕工事に向けて準備) 工事完了後は、次の大規模修繕工事に向けて、書類・資料の保管や点検時期など維持管理に関して取り組みます。 竣工図書の保管 長期修繕計画の見直し アフター点検 保証期限前の点検、不具合補修 大規模修繕工事の主体は管理組合です。専門家と協力しながら、手続等公明正大に行い、 次回以降の大規模修繕工事に向けて工事記録やノウハウの引継ぎが出来るようにしておきましょう。 また、資金不足にならないように、長期修繕計画や修繕積立金の見直しの必要性もしっかりと検討していきましょう。 3.まとめ 大規模修繕工事は区分所有者が共同して費用を負担するものです。 日常生活にもかなり大きな影響を及ぼしますので、管理組合は区分所有者同士がしっかり協力し合う必要があります。 管理会社や施工会社に任せっきりにせず、協力し合いながら工事を進めていくことが重要です。 ******************************************************************************* 弊社は、躯体部分の大規模修繕工事を専門としている事業部があり、経験豊富なスタッフをそろえております。 入居者様のライフスタイルや周辺環境にも考慮した工事内容・工事範囲・工事スケジュールを組み、 きめ細かいところまでアドバイスさせていただいております。 地域に根ざしているからこそできるフォロー体制で迅速に対応させていただいております。 大規模修繕工事のことで気になる点がございましたら、株式会社大柿産業までお気軽にご相談ください! ★次回は「大規模修繕工事前のスケジュール~工事監理編」について紹介いたします。
2023.7.21
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大規模修繕工事はいつから計画しているの?
前回までのコラムで、大規模修繕工事の必要性がご理解いただけたと思います。 ではこの大規模修繕工事、いつの段階から工事計画を考え、費用を算出しているのでしょうか? ~目次~ ■長期修繕計画とは ■大規模修繕にかかる費用 ■修繕積立金とは ■まとめ ************************************************************************************************************* ■長期修繕計画とは まず、「大規模修繕」とは、建築基準法第二条15号に記されている 「建築物の主要構造部の一種以上についておこなう過半の修繕」のことを言います。 ※主要構造部とは「壁・柱・床・梁・屋根・階段」です また、給排水管やエレベーターの交換等、1回目、2回目、3回目と回数を重ねるごとに実施する内容も異なってきます。 マンションを購入された際に、売主であるデベロッパー、あるいはその代理・媒介業者から、 「長期修繕計画」の説明を受けていると思います。その計画に沿った修繕計画の中で 「大掛かりなもの」=「主要構造部の一種以上についておこなう過半の修繕」=「大規模修繕」になります。 つまり、「大規模修繕計画」は、マンションの建築時からすでに計画されていることになります。 もしお手元に、ご自身の住まわれているマンションの「長期修繕計画表」がございましたら、 いつ、どのような修繕を行う計画なのか、ぜひ確認されることをお勧めいたします。 「長期修繕計画」とは10年、20年、30年と長期的な期間を見据えて作成された計画です。 マンションに合わせて適切な計画見直しをしつつ定期的な点検・修繕を行い、その寿命の延長を図ったり、 快適な居住環境を確保したり、資産価値を維持することを目的としています。 「長期修繕」は建築基準法第八条に 「建築物の所有者、管理者または占有者は、その建物の敷地、構造および建築設備を 常時適法な状態に維持するよう努めなければならない。」 と記されています。 では、常時適法な状態に維持するために必要な資金計画は、どうなっているのでしょうか? 次は大規模修繕にかかる「費用」について考えていきましょう。 ■大規模修繕にかかる費用 大規模修繕の費用は、マンションの規模や構造によって異なります。 ここでは一般的な目安として、国土交通省が公表している大規模修繕の平均金額をご紹介します。 国土交通省が令和3年に調査した結果によると、マンションの大規模修繕の一戸あたりにかかった費用は、次のとおりです。 マンションの大規模修繕工事の一戸あたりにかかった費用 第1位:100万円~125万円(回答全体の27%) 第2位: 75万円~100万円(同24%) 第3位:125万円~150万円(同17.4%) ≪国土交通省令和3年調査結果≫ マンションの大規模修繕は、1回の大規模修繕で一戸あたり100万円前後かかると、調査結果が示しています。 ご自身のお住まいのマンション総戸数に100万円を掛けてみると、多額の費用がかかることが分かります。 ※総戸数100戸のマンションであれば、約100万円×100戸=約1億円の費用が1回の大規模修繕工事でかかる計算になります。 突然「大規模修繕をするから、100万円納めてください」と言われ、直ぐに出せる方はそう多くはないと思います。 そのため、区分所有者が毎月一定の「修繕積立金」を積み立てていきます。 ■修繕積立金とは マンションの共用部分の修繕工事は長い周期で実施されるものが多く、修繕工事の実施時には、多額の費用を要します。 こうした多額の費用を修繕工事の実施時に一括で納めることは、区分所有者にとって大きな負担となり、 区分所有者間の合意形成が困難であるほか、場合によっては、資金不足のため必要な修繕工事が実施できない、 といった事態にもなりかねません。 こうした事態を避けるため、将来予想される修繕工事に要する費用を、長期間にわたり計画的に積み立てていくのが、 「修繕積立金」です。 そして修繕積立金の算出は、前述した「長期修繕計画」が大変重要になります。 しかしながら、この長期修繕計画によって算出した修繕積立金では、 不足していると回答するマンションが平成30年度の調査で約35%存在します。 この不足分をを解消するために、新築マンション購入時や大規模修繕時に一時金を納めることもあります。 新築マンション購入時 大規模修繕時 ランニングコスト(毎月の修繕積立金)を低くするために、また、最初の大規模修繕時に予算が不足することを避けるために、新築マンション購入時に「修繕積立基金」としてまとまった費用を納めることがあります。 管理組合の財務状況によって、修繕費用が不足する場合があります。その場合に「修繕積立一時金」として専有面積に応じてまとまった費用を納めることがあります。 ■まとめ 大規模修繕はその工事期間のみならず、そのマンションを購入した時点から、大切な住まいの寿命の延長を図り、 快適な居住環境を確保し、資産価値を維持するために、区分所有者一人一人がしっかりと向き合わないといけません。 そのためにも、 区分所有者は管理組合員としてマンションの定期検査等確認し、管理費・修繕積立金の使い方をチェックするようにしましょう。 ************************************************************************************************************* 弊社は、躯体部分の大規模修繕を専門としている事業部があり、経験豊富なスタッフをそろえております。 入居者様のライフスタイルや周辺環境にも考慮した工事内容・工事範囲・工事スケジュールを組み、 きめ細かいところまでアドバイスさせていただいております。 地域に根ざしているからこそできるフォロー体制で迅速に対応いたします。 大規模修繕のことで気になる点がございましたら、株式会社大柿産業までお気軽にご相談ください! ★次回は「大規模修繕工事前のスケジュール~管理組合編」について紹介いたします。
2023.6.16
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知っておきたい!大規模修繕工事中の「音・埃・臭い」
マンション大規模修繕工事は、居住者様が「住みながらの工事」となることから、 施工業者は居住者様の安全はもちろん、きめ細かい配慮を行い、 日常生活への支障を最小限に抑え施工しますが、 居住者様が今までに経験したことの無い「音・埃・臭い」の問題が起こります。 そこで、今回はそんな「音・埃・臭い」が発生する作業などについて解説していこうと思います。 ◆もくじ 1 大規模修繕工事で起こる音・埃・臭いについて 1-1 音 1-2 埃 1-3 臭い 2 音・埃・臭いの対策方法は? 3 まとめ 【大規模修繕工事で起こる音・埃・臭いについて】 ・音 まず、音の問題について解説していきます。 音の出る作業は次のとおり3工程があります。 1工程目は、足場組立時及び解体時に起こります。 ハンマーで足場材と足場材を組み合わせる時に「カチン・カチン」という音が発生します。 また、足場全体を安定させる為に、外壁と足場を固定させる必要があります。 この際には、ドリルで外壁(タイル)等に穴を空けますので、「ドドド」という音も発生します。 2工程目は、下地補修を行う時です。 下地補修はサンダーやドリルで吹付タイルや磁気タイルを切ったり、 穴をあける作業を行うため大きな音が発生します。 3工程目は、屋上の防水作業です。高圧洗浄機で屋上の洗浄する際に「ブオー」という大きな音が発生します。 ・埃 次に、埃の問題について解説します。 埃の出る作業は次のとおり2工程があります。 1工程目は、やはり下地補修の際に埃が大量に発生します。 前述のとおり、サンダーやドリルで、吹付タイルや磁気タイルを切ったり、 穴あけの作業を行うために埃が発生するのです。 2工程目が各所での水洗い時にも、 高圧洗浄機にて洗浄を行うために埃やゴミが大量に舞い上がることがあります。 ・臭い 最後に臭いの問題です。 臭いの出る作業は次のとおり2工程あります。 1工程目は、各所で行う塗装作業時に臭いが発生します。塗料の中には、 シンナーや無害物質等が含まれており、経験のない臭いがするため臭いが きついと感じる方もいるかもしれません。 2工程目は、防水作業時です。防水作業時にも、特殊材料を使用することから臭いが発生します。 【音・埃・臭いの対策方法は?】 大規模修繕工事が始まると多くの人が体験したことのない 「音・埃・臭い」が日常的な生活に入り込んできます。 このようにして環境が変わると、今まで気にならなかったことも急に気になるかもしれません。 では、対策はどのように行えば良いのでしょうか? ずばり対策方法は自分でできる範囲内での対策が重要になります。 例えば、埃や臭いでしたら、マスクの着用を積極的に行ったり、 音・埃・臭いは窓をしっかり閉めて外からの刺激を少しでも抑えられるよう対策をするだけで、 対策を全くしていないのとでは全然違います。 とはいえ、どうしても耐えられない場合は、外出することが一番効果的です。気分転換にもなります。 足場の組み立てや解体、外壁の打音調査や塗装時など、どうしてもストレスに なりそうな工事のスケジュールがわかっていれば、それに合わせ外出するのも1つの手段です。 【まとめ】 建物の長期的な維持をするためには、マンション大規模修繕工事は必要不可欠な工事です。 しかし、施工する場合には必ず3つの問題が発生することから、 居住者様には相当なストレスを与えることになります。 しかし、この工事は居住者様の全面協力なしでは、施工業者の100点満点の工事は出来ません。 日頃から、居住者様と施工業者でコミュニケーションを図っておく事が大切です。 それにより、ストレス解消にも繋がり、日常生活においても、支障をきたす事はないと思いますが、 私たちも居住者様にスケジュールの提示を心がけています。
2023.4.4
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大規模修繕工事を行わないとどうなる?
みなさんが豊かに暮らすために欠かせないマンションは、毎日雨や風、紫外線、排気ガス等から 私達を守ってくれているため、その代償として各部位が徐々に劣化していきます。こうした経年劣化を 食い止めるのが、大規模修繕工事ですが、適切な時期に大規模修繕工事を行わず、 劣化を放置するとどうなってしまうのでしょう? 近年「ここまで大掛かりな工事を行う必要があるのか?」と疑問を持たれる方が増えてきています。 確かに、最近では建築物に使われる建材も長持ちするものが増え、マンションの寿命の平均年数は延びてきています。 しかし、寿命が延びているからと言ってマンションの資産価値や耐久性が守り続けられているとは限りません。 そこで、今回は劣化をそのまま放置し続け、修繕を行わなかった時に起きる事やそのリスク等を解説していこうと思います。 ◇もくじ 1.大規模修繕工事の必要性 1-1 安全性の確保 1-2 資産価値の維持 2.大規模修繕工事を行わないことで起こりうるリスク 2-1 強度・安全性が下がる 2-2 雨漏り・浸水による大きな被害 3.まとめ 【大規模修繕工事の必要性】 これまでのコラムでは大規模修繕工事を考え始めている方向けに検討材料として大規模修繕工事の必要性を 解説してきましたが、本記事では「大規模修繕工事は必ず行うもの」との前提で解説を進めていきます。 1 安全性の確保 第一に大規模修繕工事といえば「安全性の確保」が挙げられます。 今ではマンションのほとんどは鉄筋のコンクリートで造られており、耐久性は昔よりも向上していますが、 風雨や紫外線などによる損傷は避けることが出来ず、年を重ねるごとに劣化を抑えることは出来ません。 建物が傷んでいる状態で放置すると、外壁・タイルの落下や崩壊など住民や周辺地域へ危害をもたらす恐れが生じます。 このような状態を放置することは、安全性を阻害していると言っても過言ではありません。 2 資産価値の維持 何度か資産価値についてはこれまでのコラムでもご紹介させていただきましたが、大規模修繕工事では金銭だけでは 評価できない価値、つまり生活上の安心感・快適感を包含することで マンションの資産価値を維持・向上させることができるのです。 しかし、外壁タイルが浮いていたり、コンクリートがひび割れていたりする状態を放置すると、外観が損なわれ、 雨漏りや錆の発生にも繋がります。このような状態では安心して快適な暮らしをすることは難しいことから、 資産価値は下がる一方です。 大規模修繕工事は「当たり前の生活を当たり前のようにできるようにする」という利点があります。 これが、資産価値の維持ができる理由のひとつになっているのです。また、適切な周期でマンション大規模工事を 行うことで建物の寿命自体を延ばすことが出来ます。建物が末永く健全な状態であればあるほど、 資産価値の維持に繋がります。 【大規模修繕工事を行わないことで起こりうるリスクとは】 前述では大規模修繕工事の必要性について書いてきましたが、ここまで必要な工事を行わなければ マンションにはどういったリスクが起こってくるのか気になりますよね? そこで、ここでは大規模修繕工事を行わないことで起こりうるリスクについて解説していきます。 1 強度・安全性が下がる マンションの外壁は年を重ねるごとに劣化していきます。塗膜が剥がれ、躯体部分にヒビが入るとそこから 雨水が浸水します。そうなると、内部の鉄筋が錆び、建物の強度も低下していくのです。 最近では、外壁タイルの落下による事故やトラブルが多発しておりますが、この場合も躯体部と下地、 下地とタイルの因果関係にあります。 2 雨漏り・浸水による大きな被害 前述で解説したように、雨水が浸水すると躯体内部の鉄筋が錆びることはもちろん、 その他にも多くの危険なリスクを発生させます。 例えば、雨漏りでは天井材や壁材にカビ・ダニが発生する恐れがあります。これらが発生すると、 健康被害が生じる可能性があるのです。また、水害による構造材が腐食すると建物の一部が崩壊するリスクもあります。 鉄骨造に限らず起こりうるトラブルです。 他にも漏電による火災、耐震構造の脆弱化など、見えない部分で大きなリスクを抱えることになります。 【まとめ】 本記事では大規模修繕工事の必要性とともに、修繕を行わないことのリスクを解説しました。 居住者や周辺への安全確保・資産価値の維持のためにもぜひ修繕を行っていきましょう。 また、大規模修繕工事を行わないままにすると居住者の大切な資産の価値が下がり、 快適な暮らしも出来なくなるため、手放すことも考えられます。 ここまでで大規模修繕工事を行わないとどうなるかについてはお分かりいただけたと思います。 マンションの現状にそぐうよう、適切な時期を見極めて大規模修繕工事の計画を進めていきましょう。
2023.2.28
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大規模修繕工事はどこまで工事すればいいのか?
分譲マンションや賃貸マンションの大規模修繕工事を行う際には、 管理組合・オーナー様においては「管理する建物の補修工事をどこまで行えばよいのか?」と悩まれることが あると思います。 定期的に修繕工事を行う必要があることは知っているものの、実際にどのような工事が必要なのか、 把握している人は多くありません。 そんな補修工事の中でも、外壁塗装は必要なのかという点を気にされる方が多くいます。 そこで今回は、建物の外壁塗装の重要性についてご紹介します。 ◇もくじ◇ 1.そもそも外壁塗装って何のためにするの? 2.外壁塗装が必要な合図は? 2-1チョーキング現象 2-2ヒビ割れ現象 2-3剥落現象 2-4剥離現象 3.外壁塗装のメリット 3-1建物の外観を綺麗にすることができる 3-2建物の寿命を延ばすことができる 3-3建物の資産価値を守ることができる 4.まとめ 【そもそも外壁塗装って何のためにするの?】 多くの人は、見た目を綺麗にするため(美観を保つため)と思っていませんか? 本来の目的は、美観を保つためではなく、大切な建物を長く守るためのもので、建物を塗膜によって防水を行い、 寿命を延ばさせるものです。 建物は毎日雨や紫外線を浴びているため、建物の表面にある塗膜は日々劣化していきます。 塗装(塗替)もせずに放置しますと、雨漏りを引き起こし、下地を腐食させてしまうことに繋がります。 この建物の躯体と塗膜の関係でよく例えられるのが、人の「皮膚」です。 特に夏は紫外線が強く、日焼け止めクリームを塗らないと日に焼けてしまい、身体に火傷を負ったり、シミが出来たりといった、様々なトラブルを起こしてしまいます。 外壁も「皮膚」と同じように塗膜で守ってあげることが重要です。 すなわち、外壁塗装とは建物を守り、寿命を延ばさせる大切なメンテナンス工事のことです。 【外壁塗装が必要な合図は?】 建物は、毎日雨や紫外線を浴びているため、塗膜は日々劣化し続けているというお話をさせていただきましたが、 その中で、素人でも分かる塗装の黄色信号の見分け方があります。 今から紹介する症状があれば、それが外壁塗装の必要な合図です。 1 チョーキング現象 外壁を手で触った時に、チョークで触った後のように手に塗紛が付着することをチョーキング現象と言います。 これは、塗膜が経年劣化により起こる症状であり、雨水等の侵入を防ぐ役割が弱まっている証拠です。 2 ヒビ割れ現象 ヒビ割れ現象はその名の通り外壁等にヒビが入る現象のことで、地震により生じることが多々あります。 その他、モルタル・コンクリートを使う外壁下地が乾燥して生じるものや、紫外線による劣化で生じることがあります。 また、縦や横に線が入ったようなヒビ割れを通称クラックと呼ぶことがあります。特に、横に走っているクラックは要注意です。 3 剥落現象 耐久性の高いモルタル・コンクリートですが、気温低下・酸性雨や塩害のダメージにより、 建物の下地の破片が落ち、内部の鉄筋が露出していることを剝落現象と言います。 こうなった場合は、露出した鉄筋などにも塗装が必要となります。 4 剥離現象 剥離現象とは外壁と下地との付着力が薄れてしまい、塗膜が剥がれる現象のことを言います。 人の身体に置き換えると「皮膚から瘡蓋がポロッと剥がれた」ようなものです。 【外壁塗装のメリット】 外壁塗装が必要な症状が分かったところで、次は「外壁塗装にはどんなメリットがあるのか」を、 よく認識した上で検討することが大事でしょう。 ここからは、外壁塗装は本当にするべきなのかを判断する材料として、外壁塗装のメリットを解説します。 1 建物の外観を綺麗にすることができる 外壁塗装の中でも、最も分かりやすいメリットが「建物の外観を綺麗にすることができる」ことです。 経年劣化による色褪せや、雨だれ・コケ・カビ等の汚れが浮き彫り立ち、 外観は古びてしまい新築当時のような美しさは損なわれていきます。 劣化が目立ち始めた建物に、外壁塗装を施すことで新築時のような外観に生まれ変わらせることができます。 また、今までとは違う色に変えたり、2色以上で塗り分けたり、外観のデザインを大幅に変えることができるところも 外壁塗装のメリットのひとつです。 2 建物の寿命を延ばすことができる 建物は、毎日雨や紫外線に晒され、塗膜は日々劣化していきます。 塗膜劣化をそのまま放置すれば、建物の躯体部分のヒビ割れから雨水が侵入し、 躯体そのものに大きなダメージを与えてしまいます。 躯体そのものにダメージを与えた場合、躯体内部から崩壊し、鉄筋の露出や破片等の剥落が起きますが、 下地補修を丁寧に行い、その後塗装を施すことにより、建物の寿命を延ばすことができます。 3 建物の資産価値を守ることができる 外壁塗装では、見た目の美しさや耐久性を保てることから、塗装未実施の建物に対し資産価値は比べものになりません。 将来的に売却を検討されている方や、今後も生涯住み続ける方も、塗装を行うことで、資産価値を守ることができます。 【まとめ】 今回は、外壁塗装についてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか? 前述したメリットからも分かるように、外壁塗装は建物を長く守り続けるために必要不可欠な工事です。 建物は人のように自ら不調を伝えることができません。 そのため、管理組合・賃貸マンションオーナー様が今回ご紹介した知識を持たれ、補修すべきタイミングで補修を行い、 万が一の最悪の状況を回避することで、建物の寿命を延ばすことができます。 皆様の大切な資産を守るためにも、適切な時期に外壁塗装を行いましょう。
2023.2.1
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大規模修繕工事前に居住者が注意すべきこと! -駐車場編-
今回は前回に引き続きマンション大規模修繕工事の際に、居住者の方が予め知っておいていただきたいことをご紹介します。 前回はベランダの使用について取り上げさせていただきましたが、今回は自家用車を所有されている方が気になるであろう 「駐車場の移動」について取り上げていきます! 大規模修繕工事を計画・実施する上で、必ず通らなければならない問題です。 ◆もくじ ・大規模修繕工事で駐車場の移動ってどんな時に必要? ・大規模修繕中の代替駐車場について 1.移動する場合の伝達方法は? 2.車の移動する期間は? 3.代替駐車場の距離は? 4.代替駐車場で盗難や事故などがあった場合は? ・まとめ 【大規模修繕工事で駐車場の移動ってどんな時に必要?】 マンションの大規模修繕工事は、「外壁の下地補修・タイルの貼替・塗装」等を行います。 そのために、建物全体に足場を組む(場合によってはゴンドラ足場)ことから、どうしても駐車場と重なることがあります。 また、現場事務所や仮設トイレ等設置スペースを確保する必要もあることから、 これらの仮設計画の際に重なる駐車場の自家用車は移動してもらわなければなりません。 【大規模修繕中の代替駐車場について】 敷地内に十分なスペースがあれば一時的な移動ですみますが、スペースがない場合は 外部の駐車場や更地に移動してもらいます。 移動先の駐車場の確保につきましては施工会社が手配することがほとんどです。 1.移動する場合の伝達方法は? 居住者の方によっては、車が「生活手段」のひとつであることも。 その駐車場所を一時期とはいえ変えるわけですから、生活への影響は決して少なくありません。 自身が駐車場移動該当者の場合は、必ず「住民説明会」に出席され、施工会社の説明を聞くことが必要です。 2.車の移動する期間は? 工事着工の1週間前ほどに、施工会社から案内があります。 工事初日より足場器材の搬入があることから、車に傷を負わせるケースもあるので、トラブル回避のために 事前に移動していただく必要があります。 3.代替駐車場の距離は? 施工会社はマンション近くの空き駐車場を確保するために、現場の調査や近隣の不動産会社と連携して 手配しますが、駅が近く地価の高いような地域や住宅が密集した地域では 駐車場移動該当者が満足できるような場所が確保できない場合もあります。 4.代替駐車場で盗難や事故などがあった場合は? 結論から言いますと、移動先での盗難や事故で起きたトラブルに関しては、施工会社は責任を負えません。 マンションの敷地内だと居住者の目があるため安心感がありますが、移動先の駐車場は ほとんどの場合が敷地外です。特に車内には貴重品を置かないよう心掛けることをおすすめします。 【まとめ】 今回は、大規模修繕工事の駐車場の移動についてご紹介させていただきましたがいかがでしたでしょうか? 駐車場の移動も前回のベランダと同じく居住者の方が特に気にしているポイントではないでしょうか。 何度も申しますが、特に駐車場移動該当者の方は必ず「住民説明会」に出席し、 施工会社の説明を聞き、その場で不明な点を解決しておくことが大切です。
2022.11.30
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大規模修繕工事前に居住者が注意すべきこと! -ベランダ編-
今回はマンション大規模修繕工事の施工前に、居住者の方が注意すべきことをご紹介します。 大規模修繕工事は、居住者が日常の生活を送りながら施工されるため、施工業者は、居住者との コミュニケーションを取りながら、細心の注意をしつつ工事を進めていきますが、居住者の方にも 一定の間、ご配慮いただくことがあります。 ◇もくじ ・そもそも大規模修繕工事でベランダの工事ってなにをするの? ・大規模修繕するにあたってのベランダの使用制限 1.メッシュシートの設置 2.洗濯物は干せる? 3.窓は開けられる? 4.エアコンは使用できる? ・まとめ 【そもそも大規模修繕工事でベランダの工事ってなにをするの?】 通常、大規模修繕工事においてベランダの工事には、「防水補修工事」と 「塗装工事」があります。 床面の「防水補修工事」は、直接雨にさらされるベランダにおいては必須です。 防水施工方法としては、ウレタン塗膜防水施工・シート防水施工などありますが、 工事計画により、施工方法は様々です。 そのため、ベランダに物 (物置、ガーデニング、人工芝等)を 置いたままでの作業ができないため、使用を制限させていただいています。 また、サッシまわりのシーリングの打ち替え作業を行う場合には、 網戸の取外し保管を居住者の方にお願いする事があります。 【大規模修繕するにあたってのベランダの使用制限】 ベランダはマンションの共用部であることから、大規模修繕工事の対象箇所に該当します。 前述しましたが、床面に荷物が置いてあると作業が出来なくなることから、 工事開始前に居住者の方にベランダに置いているものを片付けていただく必要があります。 また場合によっては、施工中にベランダへの出入りを制限されることもあります。 メッシュシートの設置 足場を仮設する場合は、建物全体に必ずメッシュシートが設置されます。 目的は、現場周辺への塗料などの飛沫防止や作業員の落下防止等の安全対策のためですが、 建物全体を覆うことから、日当たりは悪くなり風通しも大変悪くなります。 気になる方は理事長や施工業者にメッシュシートに覆われる期間を 事前に確認しておくのが良いかもしれません。 洗濯物は干せる? 足場を仮設された場合、居住者が1番気にされるのが洗濯物は干せるのかという点です。 洗濯物が干せない期間があると、居住者のストレスが溜まりますよね? 工事内容によっては、干せない期間がどうしても出てきますが、 施工業者も工事の進捗状況を見ながら、干せない期間を極力最小限に留めるよう 努力しています。居住者への干せない期間は掲示板等で伝えられますので、 確認をお願い致します。 窓は開けられる? 工事は全て外からの作業となり、作業員は足場を使ってベランダに出入りします。 防犯の観点から窓を閉めておくことが必要です。 足場を組んだことにより、悪質な侵入を心配される方がいらっしゃいますが、 その場合はサッシ用の補助錠を無償貸与されるケースもあります。 大規模修繕工事中は安心面・安全面からできるだけ窓を開けることは控えましょう! エアコンは使用できる? エアコン使用の制限はほとんどありません。 ベランダに設置されている室外機については、通気性のある専用カバーをかけ、 移動させながらの作業になります。しかし、中にはホース(冷媒配管)が短いものや、 動かして不具合があるものは脱着工事が必要となり、別途工事費(個人負担)が発生することもあります。 【まとめ】 いかがでしたでしょうか? 居住者の生活スペースの一部であるベランダが、まさか共用部であることにびっくりしませんでしたか。 施工業者は、足場を設置したことによる第三者の足場からの侵入防止策を行いますが、 完全なものではありません。 居住者の日常生活に支障が生じるかもしれませんが、足場解体時まで ベランダ側のサッシは施錠してください。 今回はベランダ箇所について記載しましたが、知らない部分が まだたくさんあると思います。不明点があれば、どんどん施工業者に質問してみてください。 このようなやり取りをすることで、居住者と施工業者とのコミュニケーションもとれ、 より良い大規模修繕工事になると思います。
2022.10.31