NEWS・COLUMN
新着情報・コラム
建物を守る!防水工事
2023.5.1
春が過ぎると、いよいよ梅雨到来となりますね。
毎日続く雨や低気圧により、人の身体は体調を崩しやすいシーズンとなりますが、建物も同じように、
劣化を放置したままだと、雨により大きな被害を受けることになります。
屋上においては、直接、雨水を受けることから、シートの破損やクラックがある場合はひび割れから雨水が侵入し、
内部の鉄筋を腐食(錆)させ、セメントを膨張させることで、部屋への雨漏りという最悪の事態に陥ることがあります。
また、ベランダの床部においても同様の事態となり、下室の天井部を雨漏りさせることとなります。
そこで今回は、水の侵入から建物を守ってくれる防水工事について解説していこうと思います。
◆もくじ
まずは、防水工事について解説していきます。防水工事とだけ聞くと水道まわりの工事のことだと思う人が
多いのではないでしょうか?
実は、防水工事は水道まわりのことではなく雨にさらされる箇所から浸水を防ぐための工事のことです。
建物の躯体部分や屋上、ベランダ、バルコニーなど雨にさらされている箇所の降雨水の遮断を行い、
漏水を防いでいます。そのため、建物を長く維持していく為には、とても大切な工事です。
防水工事は材料によってさまざまな工法がありますが、特に改修工事をする際には現在の防水の状況や、
周辺の環境、工事の日程などの要件を踏まえて適切な工法を選ぶ必要があります。今回は主に使われる
4つの工法をご紹介します。
最も古い防水工法で信頼性も高いと言われています。皆さんご存じの道路を舗装するアスファルトを使用します。
合成繊維不織布のシートに、液状に溶かしたアスファルトを染み込ませコーティングした、
ルーフィングシート(建物内に水滴を入れないシート)を二層以上に仕上げることで防水機能をより強固にする積層工法です。
アスファルト防水工事は、広い場所への施工が適しているため、学校やマンション、公営住宅などの
屋上や屋根で採用されることが多いです。
ウレタン防水工事はウレタン樹脂を化学反応で硬化させて防水層を作る工法です。
ウレタン樹脂を複数回塗ることで繋ぎ目のない防水層を形成し、雨水の侵入を防ぐことができ、
防水工事の中でも最も主流の改修用防水工事となっています。
また、防水工事の中では安価な上に、別の素材の上からでも重ね塗りができるなどメリットが多く、
5〜6年ごとにトップコートを再塗装すれば、15年程度、防水効果を保持します。さらに、液状のため、
屋上やベランダ、バルコニーなどどんな形状の場所にも採用できます。
塩化ビニルで作られた防水シートを貼って施工する工法です。工場での製造の際にすでに防水機能が完成しているため、
防水機能及び品質が安定しているのがメリットです。工場で製造されるため、複雑な形状をしている
箇所への施工が難しく、幅が決まっている共用廊下や階段によく使用されます。
FRP防水工事はガラス繊維などの補強材と組み合わせて防水を強化する工法です。
FRPは「繊維強化プラスチック(Fiberglass Reinforced Plastics)」の略で、防水性が高いだけではなく、
耐久性や耐熱性も高い特徴があります。
FRP防水工事は、まずFRPシートを敷き、その上からポリエステル樹脂を塗布して防水層をつくるため、
ベランダやバルコニーなどの床面に使用されることが多いです。
以上、4つの工法の特徴をまとめるとこのようになります。
|
アスファルト 防水工事 |
ウレタン 防水工事 |
塩ビシート 防水工事 |
FRP 防水工事 |
特徴 |
・耐久性が高い ・耐久年数が 長い |
・耐久性が高い ・どんな下地
|