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大規模修繕工事はいつから計画しているの?

2023.6.16

前回までのコラムで、大規模修繕工事の必要性がご理解いただけたと思います。

ではこの大規模修繕工事、いつの段階から工事計画を考え、費用を算出しているのでしょうか?

 

~目次~

■長期修繕計画とは

■大規模修繕にかかる費用 

■修繕積立金とは

■まとめ

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■長期修繕計画とは

 

まず、「大規模修繕」とは、建築基準法第二条15号に記されている
建築物の主要構造部の一種以上についておこなう過半の修繕」のことを言います。
※主要構造部とは「壁・柱・床・梁・屋根・階段」です

また、給排水管やエレベーターの交換等、1回目、2回目、3回目と回数を重ねるごとに実施する内容も異なってきます

 

マンションを購入された際に、売主であるデベロッパー、あるいはその代理・媒介業者から、
「長期修繕計画」の説明を受けていると思います。その計画に沿った修繕計画の中で
「大掛かりなもの」=「主要構造部の一種以上についておこなう過半の修繕」=「大規模修繕」になります。

 

つまり、「大規模修繕計画」は、マンションの建築時からすでに計画されていることになります。
もしお手元に、ご自身の住まわれているマンションの「長期修繕計画表」がございましたら、
いつ、どのような修繕を行う計画なのか、ぜひ確認されることをお勧めいたします。

長期修繕計画」とは10年、20年、30年と長期的な期間を見据えて作成された計画です。
マンションに合わせて適切な計画見直しをしつつ定期的な点検・修繕を行い、その寿命の延長を図ったり、
快適な居住環境を確保したり、資産価値を維持することを目的としています。

長期修繕」は建築基準法第八条に
建築物の所有者、管理者または占有者は、その建物の敷地、構造および建築設備を
常時適法な状態に維持するよう努めなければならない

と記されています。


では、常時適法な状態に維持するために必要な資金計画は、どうなっているのでしょうか?

次は大規模修繕にかかる「費用」について考えていきましょう。

 

 

■大規模修繕にかかる費用

 

大規模修繕の費用は、マンションの規模や構造によって異なります。
ここでは一般的な目安として、国土交通省が公表している大規模修繕の平均金額をご紹介します。
国土交通省が令和3年に調査した結果によると、マンションの大規模修繕の一戸あたりにかかった費用は、次のとおりです。

 

マンションの大規模修繕工事の一戸あたりにかかった費用 

   第1位:100万円~125万円(回答全体の27%)
   第2位:  75万円~100万円(同24%)
   第3位:125万円~150万円(同17.4%)
    ≪国土交通省令和3年調査結果≫


 

マンションの大規模修繕は、1回の大規模修繕で一戸あたり100万円前後かかると、調査結果が示しています。
ご自身のお住まいのマンション総戸数に100万円を掛けてみると、多額の費用がかかることが分かります。
※総戸数100戸のマンションであれば、約100万円×100戸=約1億円の費用が1回の大規模修繕工事でかかる計算になります。

 

突然「大規模修繕をするから、100万円納めてください」と言われ、直ぐに出せる方はそう多くはないと思います。

そのため、区分所有者が毎月一定の「修繕積立金」を積み立てていきます。

 

 

■修繕積立金とは

 

マンションの共用部分の修繕工事は長い周期で実施されるものが多く、修繕工事の実施時には、多額の費用を要します。

こうした多額の費用を修繕工事の実施時に一括で納めることは、区分所有者にとって大きな負担となり、
区分所有者間の合意形成が困難であるほか、場合によっては、資金不足のため必要な修繕工事が実施できない、
といった事態にもなりかねません。

こうした事態を避けるため、将来予想される修繕工事に要する費用を、長期間にわたり計画的に積み立てていくのが、
修繕積立金」です。

 

そして修繕積立金の算出は、前述した「長期修繕計画」が大変重要になります。
しかしながら、この長期修繕計画によって算出した修繕積立金では、
不足していると回答するマンションが平成30年度の調査で約35%存在します。

この不足分をを解消するために、新築マンション購入時や大規模修繕時に一時金を納めることもあります。

 

 

新築マンション購入時

大規模修繕時

ランニングコスト(毎月の修繕積立金)を低くするために、また、最初の大規模修繕時に予算が不足することを避けるために、新築マンション購入時に「修繕積立基金」としてまとまった費用を納めることがあります。

管理組合の財務状況によって、修繕費用が不足する場合があります。その場合に「修繕積立一時金」として専有面積に応じてまとまった費用を納めることがあります。

 

 

 

■まとめ

 

大規模修繕はその工事期間のみならず、そのマンションを購入した時点から、大切な住まいの寿命の延長を図り、
快適な居住環境を確保し、資産価値を維持するために、区分所有者一人一人がしっかりと向き合わないといけません。

そのためにも、
区分所有者は管理組合員としてマンションの定期検査等確認し、管理費・修繕積立金の使い方をチェックするようにしましょう。

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弊社は、躯体部分の大規模修繕を専門としている事業部があり、経験豊富なスタッフをそろえております。
入居者様のライフスタイルや周辺環境にも考慮した工事内容・工事範囲・工事スケジュールを組み、
きめ細かいところまでアドバイスさせていただいております。
地域に根ざしているからこそできるフォロー体制で迅速に対応いたします。

大規模修繕のことで気になる点がございましたら、株式会社大柿産業までお気軽にご相談ください!

 

★次回は「大規模修繕工事前のスケジュール~管理組合編」について紹介いたします。