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大規模修繕工事のスケジュール~工事監理編

2023.8.18

大規模修繕工事のスケジュール~工事監理編

 

前回のコラムで、大規模修繕工事の計画と管理組合の関わりについて書かせていただきました。

その中の「2-2.工事期間中(監理)」で少し触れていますが、今回は、大規模修繕工事において「工事監理」がいかに必要か、見ていこうと思います。

 

~目次~

 

1.工事監理とは

 

2.工事の発注方式とは

 2-1.責任施工方式

 2-2.設計監理方式

 

3.工事監理業務とは

3-1. 着工前

3-2.工事期間中

3-3.竣工~引渡

3-4.アフター対応

 

4.まとめ 

 

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1.工事監理とは

管理組合(区分所有者の団体)の代理をしていくのがパートナーとなる「工事監理者」です。

「工事監理者」=「区分所有者の立場になって工事の管理をしていく人」。

また、【工事監理】とは、建築士法第2条第7項に「工事監理の定義」として

「その者の責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認すること」とされています。

そのため、工事監理は建築士の独占業務となっております。

 

 

 

2.工事の発注方式とは

前回コラム「管理篇」でも触れてありますが、大きく2つに分類されます。

2-1. 責任施工方式:工事を行う施工会社が調査、改修設計、工事までを一括発注する方式です。

2-2. 設計監理方式:工事を行う施工会社とは別に、設計事務所を選定し、一級建築士等の専門家に調査診断や改修診断等、

 大規模修繕工事の計画策定や工事着工後の工事監理業務を委託する方式です。

 

※住宅金融支援機構「大規模修繕の手引き」より出典

 

  他にも、「CM方式(コンストラクション・マネジメント方式)」等ありますが、

  これは管理組合に代わって、設計者や施工会社の業務を「第三者」としてチェックする方式になります。

※CM方式は管理会社がマネジメントすることが多く見受けられます。

 

※住宅金融支援機構「大規模修繕の手引き」より出典

 

 

3.工事監理業務とは

大規模修繕工事の場合、その着工前の工事説明会から工事完了後、各点検時期に応じて立ち合いするところまで幅広いサポートをしていく業務が「工事監理業務」となります。この業務には、主に下記業務があります。

 

  3-1. 着工前

着工前に施工会社と工事範囲などの確認を行います。

また着工に先立ち、施工会社が主催する工事説明会の資料の事前確認・指導・立ち会いを行います。

・工事請負契約のサポート

・施工会社との打ち合わせ

・契約書の内容確認

・工事説明会開催サポート

・施工計画書確認 他 

 

   3-2工事期間中

    多くは現場の定例巡回を行い、月に1回態度「施主定例会」を実施します。さらに定例会までに行った工事監理と各種検査の報告を行います。

    ひび割れ補修の調査等工種が変わる際や足場解体前検査、工事竣工検査などの重要な検査の際には、複数の検査者を動員することで抜けや漏れを防ぎます。

    ・毎週巡回管理

  ・毎週定例会議 / 二社(施工会社・設計事務所)

  ・毎月定例会議 / 三社(管理組合・施工会社・設計会社)

  ・広報活動 / 工事中にも居住されているため、工程表を掲示、お知らせを配布する。

  ・定期検査・中間検査・消防検査・竣工検査 ※中間・竣工検査は管理組合立ち合いの元行われます。 他

 

  3-3竣工~引渡

   引渡しの前には、最終的な検査を行います。竣工検査時の指摘箇所の是正確認はもちろん、最終報告書の確認も実施します。

   また施工会社とは別に、監理会社として監理業務報告書を作成します。

     ・施工会社から提出される竣工図書の作成指導、内容確認、承認

     ・工事全体の状況、工事記録、指摘事項、是正記録等のまとめ、工事管理報告書提出 他

 

  3-4アフター対応

   施工会社によるアフター点検(工事完了から概ね1年後)に立ち会い、その状況を確認。

   必要に応じて施工会社に指導を行います。以後のアフター点検を施工会社のみで実施するための指導も行います。

 

 

 

4.まとめ

大規模修繕工事に工事監理者を置くことで、管理組合のパートナーとして、大規模修繕工事に精通した専門家を活用することが可能です。

管理組合と同じ目線で工事を監理するプロがいることは、管理組合、入居者にとっても大変心強いことだと思います。

大規模修繕工事の期間中は、煩わしく日常生活がしづらくなることが多いですが、工事期間中の生活が、少しでも快適なものになるよう管理組合、工事監理者と密に打合せをしていきましょう。

 

 

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弊社は、躯体部分の大規模修繕工事を専門としている事業部があり、経験豊富なスタッフをそろえております。

入居者様のライフスタイルや周辺環境にも考慮した工事内容・工事範囲・工事スケジュールを組み、

きめ細かいところまでアドバイスさせていただいております。

地域に根ざしているからこそできるフォロー体制で迅速に対応させていただいております。

 

大規模修繕工事のことで気になる点がございましたら、株式会社大柿産業までお気軽にご相談ください!

責任施工方式・設計監理方式、どちらの方式でも大規模修繕工事の契約をお受けいたします。

 

 

★次回は「大規模修繕工事前のスケジュール~施工業者編」について紹介いたします。