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倉庫・工場の大規模修繕工事!
今回のコラムでは、「アパート・マンション」を離れて「倉庫・工場」の大規模修繕工事についてご紹介します。 ============================================= ❖ 目 次 ❖ 1.倉庫や工場の修繕目的とは? 2.倉庫や工場の修繕方法とは? -①外装(外壁・屋根等)の修繕 -②内装の修繕 -③構造の修繕 -④設備の修繕 3.まとめ ============================================= 倉庫や工場等の事業用物件では、設備投資や改修がメインで、建物の軽微な劣化を認識していながら「事業に特に支障はない」ため そのまま使用していることもあります。 現実は、建物が劣化することは避けられず、状態を維持していくためには改修だけでは進行を止めることは難しく、修繕が必要不可欠です。 では「修繕」と「改修」は何が違うのでしょうか?以前当コラムでも紹介しておりますので、是非こちらもお読みください。 (リンク:「修繕」と「改修」の違い) 今回は、倉庫や工場など、事業用物件の寿命を伸ばすために「なぜ定期的な修繕が必要なのか?」、説明してまいります。 1.倉庫や工場の修繕目的とは? 修繕の目的は、建物の状態を維持してより長く建物を利用することができるようにすることです。 時間の経過による経年劣化や、自然現象などの外的要因から受ける物理的劣化などによって、建物にはさまざまな不具合が起こります。 気付いた時には大規模な修繕工事が必要で相当なコストがかかる可能性もあるため、長期的に利用していくには定期的に劣化に応じて 適切な修繕を行っていく必要があります。 2.倉庫や工場の修繕方法とは? ①外装(外壁・屋根等)の修繕 外装材は、常に太陽や雨風にさらされながらも、内部環境を守る非常に重要な役割を持っています。 しかし、外的要因の影響を最も受ける部分のため、他と比較すれば劣化速度が早く、建物の中で最も修繕の必要性が高い部位です。 外装の中でも特に主な修繕箇所が「屋根の修繕」と「外壁の修繕」になります。 【屋根の修繕】 屋根の修繕は屋根塗装の塗りなおし、葺き替え工事やカバー工事、防水処理などが大規模な修繕で、その他、細部の交換や補修などがあります。 修繕が必要かどうかの判断は、使用している屋根材の種類によっても変わりますが、 基本的に「屋根材のひび割れの有無」「表面のカビやコケ」「水漏れの痕跡」等が見られる場合は、先述のいずれかの方法で修繕が必要です。 【外壁の修繕】 外壁の種類によっていくつかの方法がありますが、 外壁材の張り直し、塗装の塗りなおし、ひび割れ箇所の修繕、防水処理、コーキングの打ち替え等となります。 修繕が必要かどうかの判断は、「塗装剥がれやひび割れの有無」、「外壁表面の汚れの進行度」、「コーキングの状態」等があります。 専門業者による定期的な点検をオススメします。 ②内装の修繕 倉庫や工場の内装の修繕は、建具や内壁などの劣化(内壁や建具などの汚れがどの程度進んでいるのか、ひび割れや塗膜の浮きなどがないか) に着目します。 倉庫や工場は内部で作業を行うために、内装材は汚れ、傷んでしまうため、定期的に内装材の修繕を行い、劣化している部分を直していく必要があります。 また、食品工場などであれば、床面の防水処理なども重要で、劣化状況は常にチェックすることが必要不可欠です。 ③構造の修繕 工場や倉庫を長く利用するためには、適宜構造の修繕を行うことが大切です。 建物の構造には、柱、床、梁、基礎、階段などがあり、 これらは、建物の耐久性・耐震強度にもかかわるため、働く人の身の安全を守るためにも非常に重要です。 修繕のタイミングは、「柱や床、基礎などのひび割れの有無」「梁のたわみの有無」「サビの進行」等をチェックして決めます。 構造の劣化は、内部で進行している場合も多いため、目視だけで判断せず、定期的な専門家による点検が必要です。 構造の修繕は、補強や交換などで対応できる場合が多いですが、劣化の進行度によっては建て替えが必要な可能性もあります。 ④設備の修繕 設備の修繕とは、主に電気設備や給排水設備等の機器に問題が生じている場合に行います。 電気設備では、サビの進行はないか、必要な装置がしっかりと取り付けられているのかをチェックし、 給排水設備では、排水の流れがスムーズか、水漏れがおきていないか等チェックします。 また、水道水が濁っている、水の出が悪いという場合も給排水設備に問題があると考えられます。 3.まとめ 今回は、倉庫や工場をできるだけ長く使用するためにおさえておきたい各種修繕について解説しました。 建物は、建っているだけで劣化が進行してしまうため、定期的な修繕工事が必要不可欠です。 また、適宜必要な修繕を行っていない場合、急速に劣化が進行し、気付いたときには「建物ごと建て替える必要がある」といったこともあります。 建物の修繕タイミングは、それぞれの部位が出す劣化サインを小まめにチェックしておくことで見極めることも可能です。 目視だけでは判断できない劣化も存在するため、定期的に専門業者に点検を依頼した方が良いでしょう。 また、古い倉庫や工場では、屋根や外壁の材料にアスベストが含有されている場合があり、修繕・改修前には十分な調査が必要となりますのでご注意ください。 ******************************************************************************* 弊社は、建物躯体部分の大規模修繕工事を専門としている事業部があり、経験豊富なスタッフをそろえております。 入居者様のライフスタイルや周辺環境にも考慮した工事範囲・工事内容・工事スケジュールを組み、 きめ細かいところまでアドバイスさせていただいております。 地域に根ざしているからこそできるフォロー体制で迅速に対応させていただいております。 大規模修繕工事のことで気になる点がございましたら、株式会社大柿産業までお気軽にご相談ください! ★次回からは大規模修繕工事の詳細を部分ごとに紹介いたします。
2023.10.20
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建物を守る!防水工事
春が過ぎると、いよいよ梅雨到来となりますね。 毎日続く雨や低気圧により、人の身体は体調を崩しやすいシーズンとなりますが、建物も同じように、 劣化を放置したままだと、雨により大きな被害を受けることになります。 屋上においては、直接、雨水を受けることから、シートの破損やクラックがある場合はひび割れから雨水が侵入し、 内部の鉄筋を腐食(錆)させ、セメントを膨張させることで、部屋への雨漏りという最悪の事態に陥ることがあります。 また、ベランダの床部においても同様の事態となり、下室の天井部を雨漏りさせることとなります。 そこで今回は、水の侵入から建物を守ってくれる防水工事について解説していこうと思います。 ◆もくじ 1 そもそも防水工事ってどんな事をするの? 2 防水工事の種類や特徴 2-1 アスファルト防水工事 2-2 ウレタン防水工事 2-3 塩ビシート防水工事 2-4 FRP防水工事 3 防水工事は浸水を防ぐためだけの工事? 4 まとめ 【そもそも防水工事ってどんな事をするの?】 まずは、防水工事について解説していきます。防水工事とだけ聞くと水道まわりの工事のことだと思う人が 多いのではないでしょうか? 実は、防水工事は水道まわりのことではなく雨にさらされる箇所から浸水を防ぐための工事のことです。 建物の躯体部分や屋上、ベランダ、バルコニーなど雨にさらされている箇所の降雨水の遮断を行い、 漏水を防いでいます。そのため、建物を長く維持していく為には、とても大切な工事です。 【防水工事の種類や特徴】 防水工事は材料によってさまざまな工法がありますが、特に改修工事をする際には現在の防水の状況や、 周辺の環境、工事の日程などの要件を踏まえて適切な工法を選ぶ必要があります。今回は主に使われる 4つの工法をご紹介します。 1 アスファルト防水工事 最も古い防水工法で信頼性も高いと言われています。皆さんご存じの道路を舗装するアスファルトを使用します。 合成繊維不織布のシートに、液状に溶かしたアスファルトを染み込ませコーティングした、 ルーフィングシート(建物内に水滴を入れないシート)を二層以上に仕上げることで防水機能をより強固にする積層工法です。 アスファルト防水工事は、広い場所への施工が適しているため、学校やマンション、公営住宅などの 屋上や屋根で採用されることが多いです。 2 ウレタン防水工事 ウレタン防水工事はウレタン樹脂を化学反応で硬化させて防水層を作る工法です。 ウレタン樹脂を複数回塗ることで繋ぎ目のない防水層を形成し、雨水の侵入を防ぐことができ、 防水工事の中でも最も主流の改修用防水工事となっています。 また、防水工事の中では安価な上に、別の素材の上からでも重ね塗りができるなどメリットが多く、 5〜6年ごとにトップコートを再塗装すれば、15年程度、防水効果を保持します。さらに、液状のため、 屋上やベランダ、バルコニーなどどんな形状の場所にも採用できます。 3 塩ビシート防水工事 塩化ビニルで作られた防水シートを貼って施工する工法です。工場での製造の際にすでに防水機能が完成しているため、 防水機能及び品質が安定しているのがメリットです。工場で製造されるため、複雑な形状をしている 箇所への施工が難しく、幅が決まっている共用廊下や階段によく使用されます。 4 FRP防水工事 FRP防水工事はガラス繊維などの補強材と組み合わせて防水を強化する工法です。 FRPは「繊維強化プラスチック(Fiberglass Reinforced Plastics)」の略で、防水性が高いだけではなく、 耐久性や耐熱性も高い特徴があります。 FRP防水工事は、まずFRPシートを敷き、その上からポリエステル樹脂を塗布して防水層をつくるため、 ベランダやバルコニーなどの床面に使用されることが多いです。 以上、4つの工法の特徴をまとめるとこのようになります。 アスファルト 防水工事 ウレタン 防水工事 塩ビシート 防水工事 FRP 防水工事 特徴 ・耐久性が高い ・耐久年数が 長い ・耐久性が高い ・どんな下地
2023.5.1
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「修繕」と「改修」の違い
みなさんは「この言葉とこの言葉って同じ意味?」と思ったことはありませんか? 例えば「回答」と「解答」など一見同じ意味なのではないかと思いますが、ちゃんとそれぞれに違った意味や使う場面があります。 「回答」は相手からの質問に返す時に使う言葉で、 「解答」は問題やクイズなどを解いて答える時に使う言葉といった風にそれぞれ意味合いがあるのです。 大規模修繕工事で使われる言葉の中にも実はこういった似ているけれど違った意味をもった言葉があります。 それが「修繕」と「改修」です。「修繕」も「改修」も大規模修繕工事の中ではよく使われる言葉ですが、 このふたつの言葉に違いがあることは、一般にあまり知られていないことがほとんどです。 今回は「修繕」と「改修」の違いについて解説していきます! ◇もくじ ・「修繕」とは ・「修繕」するメリット ・「改修」とは ・「改修」するメリット ・まとめ 【 「修繕」とは 】 まず「修繕」から解説していきます。修繕とは、経年や何らかの外的要因による劣化、 不具合が発生した建物、建物の一部、設備、部材などに対して修理や取り替えなどの処置を行い、 問題部分の性能や機能を支障なく利用できるところまで回復させることを言います。 回復の度合いは応急処置的なレベルのものではなく、建物の建築当初の水準のまで戻すことが目標となります。 なお、大規模修繕工事と関わりの深い修繕計画では、この「修繕」を一定の年数ごとに計画的に行います。 劣化や不具合が発生したときにその都度行う場合は「補修」と言い、その場の一時しのぎの工事もあります。 ここまで「修繕」について解説してきましたが、修繕するメリットにはいったいどんなことがあるのでしょうか? 【 「修繕」するメリット 】 1 建物の安全性を守る 見た目にはわからなくても、建物内部では気づかない劣化が進んでいます。 建物は人間の身体と一緒で新築時は良くても年を重ねれば色々と不具合が出てきます。 私達が人間ドックを受け、何かあれば病院に行くように建物も劣化状況を知り、適切な時期での 修繕を行い安全性の確保が必要です。 2 資産価値を維持する 新築時は頑丈なマンションでも、経年劣化などによって不具合が生じます。 これを先送りにしていると外観の劣化が進み、放置したままにすれば新築のマンションや 定期的に大規模修繕工事を行っているマンションに比べ資産価値が大幅ダウンします。 そのため、資産価値を維持するためにもマンションの劣化は定期的に修繕する必要があります。 3 美観を損なわない マンションは紫外線や雨などのダメージを常に受けていますが、特に外壁はそれらの影響を受けやすく、 剥がれや浮きなどの劣化が生じる場合があります。 外壁の劣化をそのままにしておくと、美観を損なうだけでなく、安全性が欠如します。 そこで、外壁塗装を含めた修繕工事を定期的に行い、建物を守り、外観を綺麗に保つことができれば、 居住者も快適に過ごせます。 【 「改修」とは? 】 続いては「改修」について解説していきます。「改修」とは、修繕工事に加えて、 さらに機能の向上を目指してグレードアップさせる工事です。 マンションに求められる性能・機能は住まいの変化や設備機器の進歩等により年々高まっており、 近頃の新築マンションの性能や居住性は著しく向上しています。 これに伴い、高経年マンションでは性能・機能面での陳腐化が進化し、資産価値が低下することにもなりかねません。 こうしたことから、高経年マンションの質及び価値を長持ちさせていくためには、 「修繕」による性能の回復に加えて、現在の居住水準・生活水準に見合うよう、 マンションの性能をグレードアップし、住みよいマンションにしていくことが重要になります。 このことから、「修繕」及び「改良」により建物全体の性能を改善する工事のことを「改修」といいます。 では、改修するメリットはどんなものがあるのでしょう。 【 「改修」するメリット 】 1 建物の安全性が高まる 「修繕」でもお話したように建物は時間の経過とともに劣化します。 この老朽化は目に見える部分はもちろんのこと、外からは見えない部分でも起こるのです。 地震などの災害時に、老朽化が原因で崩壊してしまう建物も珍しくありません。 しかし、建物の改修工事を行うことで、新築時の耐久性を持った建物に変身し、 居住者が安心して暮らせる住まいへと生まれ変わります。 2 建物の利便性の向上 新築の時には最新の建物だとしても、長い年月が経過してくると古い建物へと移り変わっていきます。 時代の流れとともに便利だと感じることも変わっていきますね。 そこで改修工事をすることにより建物の機能性や居住者にとって利便性の向上が図れます。 建物内にスロープや手すりといったバリアフリー機能を備え付けることや、 元々あるマンション内エレベーターの老朽によるエレベーター取替、Wi-Fi設備の導入などの 利便性を向上させる改修工事は居住者にとってもうれしいこと尽くしです。 3 建物の資産価値を維持またはアップさせられる 建物の改修工事を行うと新築当時以上の状態に回復し、さらに機能性や利便性が高まっています。 そのため、建物の資産価値は元の状態に回復、もしくは新築当初よりも高い資産価値になる可能性もあり、 また、第三者への賃貸による高額家賃収入も見込めます。 【 まとめ 】 「修繕」と「改修」の違いはいかがでしたか? 「修繕」はマンションの性能を維持し、見た目も含めてできる限り、建物を建築当初の水準にまで戻し、 工事に使われる材料も出来る限り当初と同じものか、それに近い材料を使用して行われる工事ですが、 「改修」は社会や時代の変化によって向上していく住環境の水準に合わせて、初期性能よりも高い性能や機能、 居住者を獲得することを目指し、建物初期よりもグレードアップさせ、建物の資産価値を向上させる為の工事になります。 マンションに住み続ける上で必須とされる大規模修繕工事ですが、「修繕」だけを行うのでは万全とは言えません。 より暮らしやすく価値のある居住環境を整備していくには、時代の変化に合わせた「改修」を 大規模修繕工事に組み込んでいくことが必要です。「修繕」と「改修」の違いについても理解を深めておきましょう。
2022.12.28